管理人のブラジル回想記

No12

 

肝心のフッチボウと言えば…悲惨だった。

フットサルが出来るかなと思ったら、ピッチの外に出され、リフティングをさせられる。

長距離走の後のミニゲームでさえも、パスは回ってこない。

ポルトガル語はわからない。

 

そんな時、アレイが寄ってきて、『どうした?』と声をかけてくれた。

黒人選手のアマラウとニエウは、にっこり笑って声をかけてくれた。

不思議だけれど、黒人の彼らは、僕に対しても柔らかく接してくれた。

バスの中では、日本のことを色々聞いてきた。

辞書を片手に説明する毎日…。

 

そう、フッチボウに対してはシビアだけれど、日本人よりも暖かい。

 

僕は安い宿に移っていた。

スペイン人のおばさんが経営するホテル。

練習でうまくいかず、表情が曇ったまま食事をしていると、

『これも食べなさい』とプリンをつけてくれた。

あのチア(おばさん)も、本当に暖かかった。

 

黒人の女の子をたくさん雇っていたあのホテル。

実はあのチアは金持ちで、ホテルを数件経営していた。

さすがに高級ホテルでは、黒人の女の子を雇えなかったらしいが、僕の住んでいた宿で雇ってあげていたらしい。

その雇ってもらった恩を感じてか、女の子達は一生懸命働いていた。

 

canal1という運河沿いのホテル・カラベラス。

そのホテルは笑いが絶えなかった。

 

続く