管理人のブラジル回想記

 

No14

 

初めてのブラジルで学んだこと。

初めての海外で学んだこと。

忘れていた気持ちや、新しく芽生えた気持ち。

 

5月16日と日記には書いてある。

紅白戦で、僕は相変わらず散々だった。

練習終了後、アレイが僕に声をかけた。

「今日の3時に遊びにいっていいかい?」

「もちろん!」

 

昼食後昼寝。

3時を過ぎて目を覚ます。

アレイは来てないかな…いつものお姉さんに聞いてみる。

黒人特有の愛くるしい表情で、『友達は来てないわよ』と答えてくれた。

 

まあ、アレイといえどもブラジル人だしな…。

 

砂浜で、僕はボールを蹴っていた。

『トモ・サイトウサン!』

少々かすれた声がした。

アレイだった。

 

時間は4時半を回っていた。

彼は悪びれた表情もなく、にこにこしてやってきた。

その表情で、起こる気も無くなっていた。

 

アレイはいつも笑顔だった。

そして、好きな女の子のことや、今まで接してきた日本人留学生のことを語っていた。

時に明るく、時に険しい表情や怒り、そんな彼はlegal(レガウ、確かなとか、信頼できるとか…)だった。

 

サントスの砂浜はいつも綺麗だった。

千葉の勝浦とか、そんな感じ。

余談ですが、勝浦を通ると複雑な気分になる…。

 

続く