管理人のブラジル回想記

 

No21

イタジュバという町はいいところだった。

安全だし、ファベーラ(スラム街)もない。

町の人も親切だし、ユーラカンFCの選手もいい奴らだった。

何より、ユーラカンの食事は美味しかった。

 

しかし、いくつかの障害があった。

ユーラカンFCがアマチュアのクラブだったこと、

基本的な練習は、日本人ばかりで行うしかなかったこと、

僕の中で、前にいたジャバクアラへの未練があったこと…etc

 

しかし、何かを学ばないと、無駄な時間を過ごしてしまう。

練習には、エレーノという当時34歳の元プロ選手がついてくれた。

彼が現役時代に行っていたであろう練習は、基本的な練習ばかりだったが、勉強になった。

 

そして、カミニャーダ(長距離走)だ。

近所の山の頂上まで走る。

 

ブラジル特有の、文字通り赤い土。

赤い山を頂上まで登る。

 

距離は7km。話を聞くだけなら、普通に走る距離だ。

とんでもない!

まず、酸素が薄い。

山の上だから余計だろうけど息があがるのが早い。

しかし、胸が苦しくなるよりも先に、足がパンパンに張ってしまう。

自分との戦いだった。

 

忘れないのは、初めて走ったカミニャーダ。

一番初めに着いたのは、僕だった。

素直に嬉しかった。

 

続く