管理人のブラジル回想記
No22
さて、ユーラカンFCは、とにかく子供の出入りが多かった。
怪獣みたいな風貌のドリュー、熱狂的なヴァスコのファン、ファブリシオとマルセーロの兄弟、
金髪のシャンジ、驚異的な個人技を持つルーカス、12歳のフェラ、
ピザ屋の息子ダニエルなどなど…とにかく、学校が終わると、彼らは練習が無くても、遊び場はユーラカンFCだった。
サブグランドでの草サッカーや、日本人との会話。
彼らは陽気だし、憎めない奴らだった。
12歳のフェラは、なんとサンパウロFCから誘われていた。
14歳のルーカスも、プロの下部組織から声をかけられていたという。
アマチュアのクラブとはいえ、ブラジルにはチャンスがある。
しかし…日本人の僕らがこのクラブにいてもメリットがあるのだろうか?
僕の自問自答は続いていた。
さて、アマドール(アマチュア)と呼ばれる大人の部門。
練習は火曜日の午前が長距離走、
水曜の午後が紅白戦、
木曜の午前中がサーキット、
金曜の午後が紅白戦、
アマチュアなので、仕事の合間に、選手達はクラブを訪れる。
自由参加だから、プロほどの厳しさはない。
しかし、紅白戦になると、さすが…という選手もいるのである。
アマドールでも、公式戦で勝利すれば会長からボーナスが出る。
そう考えると…日本のアマチュアとは世界が違う。
お金がかかるからという考えは、ちょっと抵抗がある。
それでも…勝負へのモチベートの違いを感じた。
またまた、自分の井の中の蛙さ加減に腹が立った。
紅白戦では、ジャバクアラの時よりはプレーが出来る。
しかし、どうしてもかなわない奴がいた。
落ち込むわけにはいかなかったのだけれども。
続く