管理人のブラジル回想記

 

No27

 

ジョルジ・ルイス、彼は17歳だった。

良くしゃべる。まあ、いい奴そうだった。

 

ホテルまで送ってくれて、『練習の時は迎えに来るよ』と言ってくれた。

それはありがたい。

お節介な奴も多いけど、それはブラジル人のいいところだろう。

 

次の日、

ジャバクアラに着くと、雨だから練習はナシだという。

しょうがないけれど、イマイチ納得がいかない。

サンパウロに電話を数回入れた。

現状を清原さんに話をした。

改善の余地はなさそうだ。

 

ジュニオールの選手、前に世話になった、アレイやペッチーニョが、気を使って何度も訪ねてくれる。

オフの時には、砂浜でのミニゲームに誘ってくれたりした。

 

僕は決断した。

ジュベニーウの練習なら参加しない。

直接、ジュニオールのコーチ、レーロに交渉すると、『前回君が来たときには、それなりの報酬があったが、今回は何も聞かされていない。僕はプロだ。だから今回は面倒は見られない…』

複雑な気分だった。

レーロは、名門コリンチャンスのインファンチウ(15歳以下)をサンパウロ州選手権で優勝させていた。

サントスではジュベニーウをサンパウロ州選手権で優勝させている。

(ちなみにそのときの教え子に、現在FC東京のジャーンがいた)

彼はプロだ。説得力のないわけがない。

 

次の日からは、砂浜、もしくは駐車場での自主練となる。

練習、ポルトガル語の勉強、昼寝…そんなことばかり。

ジョルジ・ルイスが時々ホテルに呼びに来るが、「もう練習には行かない」とだけ告げた。

 

ある時…ひょんなことから、元プロ選手と知り合うことになる。

他の日本人が、ホテルの前にいたら声をかけられたのだという。

『木曜の午前中にプライア(砂浜)でボールを蹴ってるから、お前らも来いよ…』

二つ返事でOKした。

 

元ジャバクアラの選手はベットといった。

黒人で人なつっこく、本当に親切だった。

 

木曜の午前、砂浜で待っていると、12〜3人現れた。

こいつら…仕事しないのかな…

内心思いながらも、ゲームが始まった。

元プロ選手だけでなく、普通の人もいる。

楽しかった。

遊びとはいえ、ゲームが出来る感覚。

 

一人の選手は、元サントスで、ペレとプレーをしたことがあるという。

サンパウロ州選手権優勝も経験しているとか。

そんな人達と蹴れた…それだけでも微笑んでしまった。

 

ある日自主練を終えて、ホテル・カラベラスに帰ると、はげ頭がトレードマークのチウが僕に声をかける。

ジャバクアラから電話が入ったという。

何だ、今更…。

 

続く