管理人のブラジル回想記
No3
ブラジル行きに関して、セイジのお父さんに相談をしたのは、実はだいぶ前だった。
ヴィザの発給が課題であった。とにかくチンプンカンプン。
留学ヴィザの申請さえも出来ない状態。
結局、斡旋業者を頼らざるを得ない。
阪神大震災のニュースがビジョンで映し出させる。
ハチ公前、渋谷で斡旋業者に逢った。
ブラジル留学生がこの頃問題になっていた。
実力が通用しないで、経済的には恵まれているから、金にものを言わせて遊びまくる。
親不孝以外の何物でもない…。
そんな現状を聞かされ、それでも自分はサッカーがしたい、プロになりたいという意志を伝えた。
それから数ヶ月…
ヴィザの発給は遅れ、苛立ちさえ覚えた。
4月、電話が入る。
『留学ヴィザの発給がまだ出来ないらしいので、観光ヴィザで1ヶ月だけブラジルに行きませんか?』
二つ返事でOKした。
クラブはサンパウロ州2部(セリエB1。実際には上から4つ目のディビジョンだから、4部リーグ)のACジャバクアラ。サンパウロから一時間半ぐらいのところにある、有名なサントス市内のクラブだという。
古豪だと聞かされた。現在は低迷中。ディビジョンからもそれは明らか。
しかし、自分の所属するジュニオール(20歳未満)というカテゴリーに関しては、サントスFCから選手を大量に獲得し、育成し選手を売るというビジョンを打ち出し、かなりレベルは高いと聞いた。
期待は膨らんだ。
続く