管理人のブラジル回想記

 

No36

 

僕が前にいたジャバクアラがグループ優勝をしたことは前に書いた通りです。

実はユーラカンも、イタジュバの大きな大会で優勝をした。

僕らは当然ベンチ入りも出来ない。

スタンド観戦を余儀なくされていたわけで…。

 

34歳、エレーノを中心の攻撃。

31歳、カルロンという黒人のCBと僕を昼食に招待してくれたエピソードを話したホーラを中心としたDF。

その他、エリーニョというヴォランチ等、センターラインが充実したユーラカン。

 

引き分けでも優勝が決まる試合。

スタンドで僕は試合を見ていた。隣にはいつものガキどもが…。

左からファブリシオ、僕、ピザ屋のダニエル
左から怪獣ことドリュー、フェラ、マルセーロ

まあ、彼らはいい子達で、僕たちになついて、いつもクラブに遊びに来ていた。

※詳しくはNo22参照。

 

さて、試合はユーラカンが1点リードのまま終盤へ。

子供達は、準備しろと言う…

何をだろうと思うと、試合終了のホイッスルが鳴る…優勝だ…。

フェンスによじ登り、ピッチに飛び降りる子供達。

『ヤバい、出遅れた…』僕も当然よじ登り、飛び降りる。

 

ピッチ上の親しい選手に飛びかかる。

喜びの爆発のさせ方がブラジルらしい。

僕の性格上、こういうバカ騒ぎは大好きだ。

 

他の日本人達は冷めていた。

そんな彼らが少々かわいそうに思った…。

『何でジャポネーズはトモ以外喜ばないんだい?』

答えられなかった…微笑むしかなかった。

 

シュハスコ(焼き肉)でその夜は盛り上がる。

ユニフォームは新調することになり、その試合で着用したユニフォームは、各選手へプレゼントされた。

エレーノが僕のところへ寄ってきた。

『お前にやる…』、

その優勝時にエレーノが着ていた10番のユニフォームは、今でも僕の部屋のハンガーにかけてある。

エレーノは『日本からスパイクを送ってもらってくれ』と笑っていた。

エレーノが何故僕にユニフォームをくれたのかは未だにわからない。

でも、その粋な計らいは忘れない。

 

その夜のシュハスコは美味かった。

 

続く