管理人のブラジル回想記
No40
『ユーラカンへ行くんだろ?』
玉木さんは言った。
その時点での選択肢はユーラカンとサンジョゼしかなかった。
ユーラカンへ戻るしかなかった。
しかし、1ヶ月だけの決心を固めた。
玉木さんにもその意志を伝えた。
サンパウロのホドビアーリア(長距離バス停)からイタジュバまで4時間。
イタジュバのホドビアーリアは懐かしかった。
歩いてユーラカンへ行く気力はさすがになかった。
大荷物は、大型のスーツケースと遠征用の大きなバック、そして手荷物用の遠征バック。
ブラジルの通貨、ヘアウ(REAL)に両替をし忘れていた事に気づいたが、あまり問題はなかった。
タクシーの運転手に、『5ドル払う。お釣りはいらないし、多分あんたが得するよ…』と言うと、親指を立ててトランクを開けてくれた。
ブラジルにチップの習慣はあるようでないらしい。
僕は礼儀正しい…というところを強調したかったのか、時々チップを払っていた。
床屋に行ったときも、4ヘアウだったところを5ヘアウ払ったら、異常に喜んでくれた。
前にサンジョゼからイタジュバへ来たときも、タクシーを拾った。
そのときも4ヘアウの料金に対して5ヘアウ払うと、クラブの中まで運転手は荷物を運んでくれた。
そして…ユーラカンへ着くと、練習中だった。
サーキットをする選手達。
みんな笑って迎えてくれる。
僕のユーラカンでの期限は1ヶ月。
何故ならプロに挑戦したいから…そう改めて言い聞かせた。
続く