管理人のブラジル回想記
No42
さて、ある程度割り切ってはいたのだが、僕としてはラテラウ(サイドバック)でのプレーを納得していなかった。
どうせ一ヶ月でチームを出ることになる。
それならメイオ(MF)に戻った方がいいんじゃないか?
そう考えるようになる。
公式戦に、なんとベンチ入りができることになった。
背番号は17。かなり大きな大会。
ベルメーリョは僕に『チャンスがあれば出すよ』と話してくれた。
3時間かけて着いたスタジアムは、完全にアウェーだった。
試合はいいところなく、1−2の負け。
もちろん出番はなかった。
一週間後のホームゲーム、ベンチにも入れない状況。
試合もホームながら0−1。
思い入れが無くなった以上、試合に出られなかったという悔しさは半減していた。
練習試合も、全てスタメンで出られる、それは恵まれていた。
相手もアマドール(アマチュア)とはいえ、みんな大人。
得るものはたくさんあった。
それでも中盤でプレーしないと、次につなげられない…。
そんな事を考えている頃、カルナバウ(カーニバル)がやってきた。
どんな小さな街でもカルナバウは行われる。
ITAJUBAでもカルナバウが行われた。
ホドビアーリアの前の大きな通りで、カルナバウは行われていた。
仮装したユーラカンの選手も参加していたり、彼らは本当に狂っていたのを覚えている。
普段はほとんど話さないラテラウジレイトのチチという選手も、親戚だという子をグーで笑いながら殴る…もちろん、カルナバウの衣装のままでだ。
目が危ない…泥酔していると殴られた子が言う。
踊り、酔っぱらい、暴れる。平和なITAJUBAだぜ!これがリオ・デ・ジャネイロとか、サルバドールとかだったらどうなるんだろう…恐ろしい…。
いつものパン屋は平穏だった。
『おお、ジャポネーズ、カルナバウは面白いだろ…ほら、あそこにもヴィアード(オカマ)がいるぜ…』
指を指した先には、女装した男が。
こちらを向くと…聞こえたらしく、脱ぎやがった…。
パンを買って食べてなくて良かったよ。
美味いものが不味くなるところだった。
続く