管理人のブラジル回想記

※実話を過去の日記に基づいて回想しております。

 

No49

日本人が6人。

長期留学生4名、短期留学生2名。

 

正直言って、この状況は留学のためにはいい状況ではない。

短期留学生に関しては2週間のみ…ということで、我慢するしかない。

まあ、問題を起こすような連中ではないので、問題はなかったのだけれど。

 

前回の日記にも書いたように、短期留学生のために練習試合を組むことになった。

短期留学生の二人は、日本のお菓子をたくさん持っていた…。

日本を離れてほぼ2ヶ月、僕だけでなく、他の長期留学生にとっても、非常に良いおみやげとなっていたことは言うまでもない。

 

『今、日本ではどんなテレビをやってるの?』

単純な質問だが、それに対して…

『10万円でロンドンに行くやつやってます…』

今思えば、電波少年の猿岩石、ユーラシア大陸横断ヒッチハイクのことだった。

 

さて、3月31日、練習試合が組まれた。

日本人6名の他は、プロ選手が3名、GKはアマチュアだが、他の選手も、クルゼイロの街では有名なアマチュアの選手だった。

 

90分ゲーム…。

僕らにとっては待ちに待った試合だった。

僕に渡されたユニフォームはなんと10番。

実力ではなく、ポジション的に10番だから回ってきたもの…それでも、当たり前だけど嬉しかった。

 

試合開始。

相手もそこそこ上手いアマチュアのチームだった。

開始から僕たちが支配する。

ペナルティエリア内右側でボールを受けた僕。

迷わず右足で打ったシュートはGK正面…。

それでも、試合に出なくては味わえない感覚…痺れる。

 

数分後、先程と同じような場所でボールを拾い、左足でゴール左隅に狙いシュート…

ボールはポストを直撃!またはずしちまったい…。

うーん…。

 

そして、再々度、同じようなポジションで、FWから絶好の落としのパス…

ワントラップして、左足インフロント…高橋さんが良く狙っていた形…。

サイドネットへ吸い込まれていくボール…僕にはスローモーションに見えた…。

 

入った…。

 

練習試合とはいえ、僕のブラジルでの初ゴールとなった。

その試合は結局2−2の引き分けだったが、何故か不思議な達成感を得ることが出来た。

 

続く