管理人のブラジル回想記

※実話を過去の日記に基づいて回想しております。

 

No68

 

どうしても試合の翌日はオフになってしまい、自主練をせざるを得ない。

実際のところ、僕には少々不満だった。

 

6/9、リーグ戦の再開。

審判のストライキによって中断されていた大会が再開された。

僕の出場停止もめでたく解けた。

 

しかし、問題発生!

前日の夜、蚊取り線香の火が消えてしまい、夜は蚊に襲われてしまい、日本人選手全員が極度の睡眠不足になってしまった。

超音波のような蚊の飛ぶ音…それが一晩中続く。

実際、僕もその一人だった。

試合は第一試合。9時キックオフだったと記憶している。

頭がぼーっとした状態での試合。

 

最悪だった。

 

最悪の判断ミス。

自陣のペナルティエリアのすぐ外でドリブル。

それを簡単に奪われてしまった…拙い!

 

単純にシュートまでいかれてしまい、もちろん失点。

 

僕の責任…。

 

その後もチーム全体が精彩を欠き、1−3で敗れた。

1勝1敗1分。3試合を終え、UCEは平凡な順位を彷徨っていた…。

僕の軽率なプレーからの失点が、流れを変えたことは間違いないから、もの凄い責任を感じていた。

 

午後、他の練習試合が組まれていた。

1日2試合、珍しいが、ハットの粋な計らい…のはずだった。

僕は午前中の試合を引きずっていた。

できれば、そのまま休みたかった。

それでも、やるしかなかった。

 

前半、不調を引きずって身体が重い。

孝がハーフタイムに、『サイトウさん、調子が悪いときは誰にでもありますよ…』と声をかけてくれたことで、気分がだいぶ楽になる。

後半はまあまあだった。

 

試合は引き分け。

 

気持ちの切り替えの必要性を強く感じていた。

フッチボウはチームでやっているわけで、だからこそ、自分の調子が悪くても言い訳はきかない。

ダメなら交代すれば、代わりが何とかしてくれる。

とにかくピッチに立っている時間はやるしかないんだ。

 

そんなことを考えながら、帰り道は下を向いて歩いていた。

そして…

 

スタジアムに着くと、大変なことになっていた。

例のアンドレが企画したビンゴ大会。

ザッと見た感じ、1万人弱は集まっていた。

タイミングが悪いところに帰ってきてしまった…。

 

人混みの中を歩く。

 

やたら僕ら日本人が目立つらしく、やたら声をかけられる。

とりあえず親指を立てて答えたり、手を振っていた。

早く部屋に帰りたい…そう思っていた矢先…

 

『あ、いたいた…』そんな感じで、女の子が二人やってきた。

一人は金髪で僕好み(笑)。もう一人も可愛い感じだが、江口洋介に似ていて、ちょっと笑ってしまった。

 

金髪の子が話し始める。

『実は私はフライト・アテンダントの学校に通っているの。』

どうやら、英語の他に日本語を学びたいらしい。

 

『日本語を教えてくれない?』

 

?家庭教師の依頼かい?

近くにいた林と僕は、「やってみるか!」と簡単に返事してしまったのだが…。