管理人のブラジル回想記

※実話を過去の日記に基づいて回想しております。

 

 

No75

 

僕たちの参加していた大会というのは、アマチュアの大会だったのだが、プロ選手の参加も認められていた。

人数制限があるのだが、やはりプロ選手が参加するというと、周りの注目度が違う。

UCE(僕の所属していたウニオン・クルゼイレンセ・デ・エスポルテスの略)には、主将のハットを含め、入れ替わり立ち替わりプロ選手がプレーしていた。

ある日、ビグーという選手がやってきた。

彼はサウジアラビアでプレーしていたプロ選手。

風貌は、トヨタカップでバスコの一員として来日したオジバンのようにゴツい感じの選手。

ポジションもCBだった。

個人技術というか、ヘディングだったり、基本的なキック等はやはり上手かったと思う。

 

しかし、ちょっと足りないのだ…何かが。

 

高級な自転車に乗り、スタジアムに現れる。

自慢に対して、他の選手も呆れていた。

練習でも決して真面目なほうでもない。

彼の希望で、どうしても…シーズンオフの調整のためにということで、ハットも会長も、練習参加、及び大会への登録を認めた。

 

6/23、リーグ戦。

スタートから終始圧倒したゲーム。

ビグーの後方からの指示に、他の選手達も時々イライラしていた。

そして、スコアが3−0になり、少々足が止まりかけたときだ。

『疲れてるのか?』というビグーからの声。

うるさいので、僕は無視した。

 

次の瞬間、考えられないことが起こった。

『こいつ疲れてるから代えてくれ!』

ビグーがベンチに向かって叫んだ。

おいおい、何言ってんだ?こいつ?

 

数分後、第4審判が掲げた番号は10番。

俺じゃん…。

ピッチの外に出た瞬間、監督にひと言。

『疲れてないよ!』

そんな僕は無視されると思ったのだが…

監督の意外な反応。

『そうなのか?代えなきゃ良かった…』

なんだそれ?

 

今となっては、足を止めた僕が悪いんだな…と思った。

その時は、ビグー、ふざけんな!ぐらいにしか思わなかったけど。