管理人のブラジル回想記

※実話を過去の日記に基づいて回想しております。

 

No78

 

週1回、レチーシアの家に日本語を教えに行くという話も、気がついたら家に遊びに行くだけになっていた。

家に行くと、コーラとお菓子が用意してあって、日本の話をするのだが、気がついたらレチーシアが一方的に悩みや身の上話を始めてしまうので、時間があっという間に過ぎていた。

そんな時、彼女のフライトアテンダントの研修の話になった。

『もうすぐ、山の中で一泊しなくてはならないの』

飛行機が墜落したとき等の対策に、山の中で一晩過ごすという研修らしい。

『怖いよ…寂しいよ…きっと…』

本気で怖がっているみたいだ。

『でも、寂しくても泣かない…あなたに約束する…』

なんか、彼氏に約束しているような言い回しだった。

いったい俺はなんなんだろうと不思議に思った。

 

ただ…夢をもっている人から受ける影響というものはいいものだった。

フライトアテンダントになりたいという夢をもって、毎週サンパウロまで4時間かけて通うレチーシア。

確かにブラジルでは、長距離バスの発達から、そんなに珍しいことではないんだけれど、やはり大変だとは思っていた。

目標がなかったら、それは苦痛で仕方がないだろう。

 

『あなたはプロのサッカー選手になって。私は必ずフライトアテンダントになるから…』

その言葉は、本当に嬉しかった。

 

朗報?が入る。

某有名クラブへの練習参加が、8月いっぱい、要するに最後の1ヶ月間可能になるかもしれないという。

自然に毎日の練習にも気合いが入った。