管理人のブラジル回想記

※実話を過去の日記に基づいて回想しております。

 

No85

最後の更新からかなり時間が経ちましたが(1年以上?いやもっとですね…)、しっかりと回想記を終わらせたいと思います。

 

8/10、練習試合。

相手も結構いいチームだったけど、内容がもの凄く悪かった。

斡旋業者のスタッフの方が来てたけど、ハーフタイムに色々言われたけど、

『お願いだから何も言わないで…!』って感じ。

結果は2−2。

PKを蹴らせてもらったのと、もう一つのゴールは自分も絡めていた。

それでも決して満足できなかった…

 

このころ短期留学の中学生が来た。

日本の情報を色々聞けて嬉しかった。

本当に浦島太郎状態…。

 

8/17、リーグ戦。

首位争いをしているチームとの試合。

僕は例のFWとの関係から、ポジションを左から右に移してもらった。

対戦相手の10番と11番とのマッチアップが主だったのだけど、こいつらが若くていい選手。

なんとか前を向かせずに厳しく守備をして、結果として失点をゼロに抑えた。

攻撃面では日記にスルーパス2本のみって書いてあったけど、7割守備に終始した試合だったかな。

 

8/18、親善試合。

小さな街に遠征。

本当の山の中で舗装もされていない道路を入っていった小さい街。

その隅にあるピッチでの試合。

斜面をスタンドに見立てた面白い場所。

お客さんが結構来るんだな…これが。

スコア1−1。

何故かわからないけど、地元の女の子に僕が大人気で(笑)

試合後も話しかけられて、結構大変でしたよ…。

 

仲良くしてくれる家族だったり、街の人たちも普通に声をかけてくれる人達も当たり前になって、友人の誕生会に招待されたり。

さすがにこの頃にはプロ契約がどうのこうのって話は現実を見てしまっていたから、『この先どうしようかな?』なんて考えてたかな。

ブラジルで学んだことは一言では言い表せないけれど、やっぱりこの頃のことは印象深い。

 

8/25、リーグ戦。

出場できる最後の公式戦ということもあって、気合いが入っていたけれど、明らかに相手との力の差があったので拍子抜けした感じ。

しかも先日の親善試合で声をかけてきた女の子達が試合を見に来てたりして(笑)

スコア6−0。でも、このときの審判は僕の天敵で…。

普通のファウルでイエロー2枚。後半途中にレッドカード。

最後の公式戦でレッドカードですよ(笑)

 

8/28、参加できるチームの練習が終わった。

そして8/29、会長の計らいで試合が組まれた。

日本とブラジルの親善ってことでクルゼイロ市を巻き込んで、日系人の家族が招かれたり、近所の小中学校の子供達が招かれたり。

スタジアム満員になってるんですもん(笑)

しかも町のテレビ局まで来てたし…試合前にインタビューされたり。

そのビデオ、持って帰ってきました。

恥ずかしいもんですね(笑)

 

試合は5−1で勝利。

試合前のインタビューで、『クルゼイロの人たちに、1点プレゼントしてください』なんて言われて、『神が望むなら!』なんて格好良く答えてはみたものの、決定的なシーンを外すなどしてノーゴール。

それでも、そんな試合を用意してくれた会長には感謝だな。

 

夜にはハンバーガーを食べに行って、街の人たちに『日本へ帰るよ』と伝えて歩いて…切なかったな。

日本語を教えていたレチーシアは泣いて別れを惜しんでくれて。

切ない夜だったな。

 

8/30の午前中、近所を歩いて挨拶して回った。

会長の家族にも挨拶。家族みんなで送り出してくれた。

そして普通に午後の練習が始まる直前…玉木さんが迎えに来てくれた。

 

選手達は『また来るよな?』と聞いてきて…『もちろん』と答えた。本当にその時はそう思ってた。

 

荷物を積み込み、車に乗り込む。

街を走ると、知り合いが歩いてる。窓から顔を出して手を振った。

本当にありがとう…今振り返っても、貴重な経験をさせてもらった。

 

サンパウロ、リベルダージの富士パラセホテル(現在は無くなったらしい…)に泊まる。

たまたま縁があって千葉の2人と同じクラブで練習ができた。

その2人と一緒に冷蔵庫からコーラとグァラナを出して飲みながら色々と語った。

寝付けなかった。

気がついたら4時を回ってた…。

 

翌日、サンパウロ市内を歩いていたら、日本の某局の番組の収録に出くわした。

日本語か…もうすぐ嫌でも日本語の生活になるんだな。

 

そして深夜のグァルーリョス空港。

本当に日本に帰るんだな…って思うと複雑だった。

 

航空会社の都合で、経由地と乗る便の変更をして、エグゼクティブクラスで日本へ帰れることになった。

乗り込んだ飛行機はニューヨーク行き。

僕一人が離れたところに座ることになり、隣はブラジル人だった。

 

離陸直前、疲れが出たのかだいぶウトウトしてしまった。

でも、離陸の瞬間はよく覚えている。

 

またブラジルでプレーしたい。

その時は本気でそう思ってた。

 

後悔はしていない。

今の自分がいるのも、ブラジルでの経験があったから…。

 

いや、またブラジルで何かを見てきたい。